セカンドレーサー13話『わたしがおばさんになっても~♪』

ん~?
おいおい競輪祭が終わった直後だってのに、いったい何だ!

おまえがババアになろうが、オカメになろうが地球になんの影響も与えんぞ…

世間には、歳をとればとるほどカミさんの方が強くなるってイメージがあるけど、確かにそうだよな。

さすがに名前は出せねえけど、オレの先輩だった30期代の元選手にカミさんにえらく強気の人がいたんだ。

特に酒が入った時なんか、カミさんのことを「クソババア!」、「ブタヤロ~!」、「てめえコンノヤロ~!」、「死んじまえ!」…

普段、自分が客に言われてることをそのまま喚いているようなもんなんだけど、それでも、それ隣で聞いてるこのオレは、その度に胸がスカッとしたもんでさ。

けど、引退して年取っちまった後はすっかりおとなしくなっちまって…

逆に、今はカミさんの方が元気いっぱい。
一家の主人として君臨して、先輩はいつもいいなり…

客の方だって、きっと同じなんじゃねえの。

若い頃、オレたちを汚ねえ言葉で散々 やじり倒したあいつらも今やみんなジイさん。

今の場内なんて、ヤジもほとんど飛ばずで静かなもんだろ。
おそらくあいつらのほとんどが死んじまって、もういねえってのもあるかもしんねえけどさ。
若い世代がいないってのももちろんだけど…

まっ、とにかくよ、選手にケチの一つも言えねえようなやつがカミさんにケチつけられるはずねえし、きっと、どいつもこいつも家じゃいつもショボ~ンとしてんだろうな…

ったく寂しいもんさ。

こうなったら競輪界には、ネットではなく、場にもっともっと若い世代を引っ張るよう頑張ってもらって、現場で思いっきり喚き散らすことを覚えてもらい、家でカミさん罵る勇気と根性を鍛えてもらいてえもんだな!

あたし、センセェたちの時代って、ちょっと考えられない…っていうか信じられないんですけど!(◎_◎;)
今、本当にそんな男の人がいたら即離婚…っていうよりそもそも結婚なんてできないよ。

あ~あ、ウソか本当か別として結婚ってものに少し夢がなくなっちゃった…(◞‸◟)

あたりめえじゃねえか、んなもん!
結婚ってのは、するまでは夢も見れるけど、しちまったら後はもう現実しかねえんだ。
ちなみに、さっきの先輩のカミさんなんて、先輩にマークされたのが女子大生の頃だったらしいんだ。
あくまでも「その当時は」なんだけど、結構かわい子ちゃんでおしとやかで学のある立派な乙女だったのに、本業でもマーク屋だった先輩にいつも大学の正門前で待ち伏せされて騙されちゃったんだと。

本業でのマークじゃ甘いところもあったのに、そういうマークの方じゃ厳しかったんだな。
で、その頃のカミさんにしてみりゃ競輪なんてどんな世界か知りもしねえし、一応プロのスポーツ選手で、そこそこ持ってるものも持ってるし、「その時だけ」は優しく大人しかったんで、まっいいか…
でも、結婚した後は毎日大酒飲まれて「バカヤロ~!」、「ブタ!」…

そんなもんだぜ、結婚なんて!
特に競輪選手や競輪やってるやつとの結婚なんてさグッヘッヘッ。

ますます夢がなくなりました…:;(∩´`∩);:
競輪のテレビ中継の時、よく選手の幸せそうな家庭風景が出てきたりするけど、あれって…
みんなウソだったの⁉︎
グスン…(涙)

このブログの記事は更新日の4~5日前までには作っとかなきゃなんねえって都合上、今回の競輪祭に関してはまだ触れようがないんで、せっかくだからオレの競輪祭の思い出話でもさせてもらうよ。

さて、オレにとって競輪祭ってのは特別競輪の中でも特に特別なものなんだ。
初の特別競輪参加も競輪祭だし最後もそう。

特別競輪戦績表

でも笑っちゃうことに、昭和52年、19歳のとき初めて出場した競輪祭新人王戦は初日3着、二日目落車お帰り。
で、39歳、最後になった平成10年競輪祭は初日落車、二日目失格お帰り…

オレらしいっちゃオレらしいんだけど、それでも忘れもしねえのが昭和59年の競輪祭。
花も恥じらう25歳の乙女…じゃなくて美青年だったオレは当然のごとく優出。
清嶋(彰一/40期・OB)さんの番手っちゅう絶好のチャンスをいただき、天下の中野(浩一/35期・OB)さん、井上(茂徳/41期・OB)さんを向こうに回して本命…

おい、皆さん方、よく聞いてくれよ!

オレだってちゃんと特別競輪の決勝で本命背負ったってこともあるんだかんね!

まっ、最終的には井上さんに一発食らって終わっちまったんだけどよ…

けどよ、今にして思うとオレも大したもんだったんだぜ。
あんときゃ、目標にした清嶋さんが全く役に立たずで、もうしょうがねえから最後は自力で捲ってたんだ。
しかもよ、それって先に捲ってった中野さんを追っかけてっての捲りだぜ。

も~漫画なんてレベルじゃねえよ!
ハリウッドの超大作か3丁目の紙芝居なみ!

それでも、あん時のオレは結構脚も回ってくれちゃってたんで、「やった~!うまくいきゃ中野さん飲み込んでタイトル初ヅモ~」
…って思ったのに、あの大泥棒~井上さんが、中野さんのケツから思いっきり横にズド~ン!

一瞬でオレのタイトルはパア。
で、オレのもになるはずだったそのタイトルと、客から先に巻き上げといた現金は、井上さんが最後に中野さん差してぶん取り。

オレはあの後、何回、佐賀まで押し込み強盗やりに行こうと思ったことか…

今、井上さんって名輪会だか何だかってえのの会長とかやってるらしいけど、その前に人としてちょっとどうなんだってことは、この際だから改めて言っておきてえな、うん。

あっ、それからさ、オレはもちろん金のために選手をやってたけど、それでもタイトルっていうのは全く別物。
タイトル戦だけは、このオレだって選手としての誇り、名誉や勲章のため頑張ったもんだってのを最後につけ加えておくよ。

センセェ…すごすぎΣ(‘◉◉’)
も~あいた口がふさがらないです…(汗汗汗)
…とくに最後の競輪祭…
どこが誇り、名誉や勲章のためなのよ!

それにしてもさ、まさかセンセェが特別競輪の決勝戦で本命背負ったこともあったなんて、それはちょっとオドロキ!(◎_◎;)
あたし今、悪い夢でもみてる…
じゃなくて聞いているのかしら…

でもなんで、そんなすごい人でもあったのにそこまでケチなの⁉︎
しかも、そんな若いときから…(°_°)
いまだにケチのまんまでさ…\\\٩(`^´)۶////
センセェの元奥さま…センセェの先輩さんの奥さま同様それでも結婚しちゃうなんて勇気ありすぎ…((((;゚Д゚)))))))

大丈夫!
オレも含めて選手はいっぱい離婚してっからハッハッハッ‼︎

※各添付画像→ギャンブルレーサー25巻より

※明日、番外編臨時更新あり

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