77話B面『大波乱!1978年京王閣』

取手の全日本選抜競輪は、大阪の古性優作せんしゅのゆ~しょ~でしたね。
なんかも~、これからタイトルをいくつもとっていけちゃいそうなフ~格もでてきた気がします。
ホント~に、おめでとうございました!
*・゜゚・*:.。..。.:*・’(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

あたりのざれごと

『葬式の関』

どっひぇえ〜〜〜⁉︎
今回のカット、めずらしく実物にちかいですね(爆笑)
よかった(*^▽^*)

はい、それではおまたせいたしました!
前回につづいて若き日の関センセェのおはなしで~す!

センセェは1977年取手で記念初Vをかざったあと、なんと翌年にはあの中野浩一さん(35期•OB)をやぶって2度目の記念Vをはたしたそうなんです。
ビックリですよね。

あっ、そうそう!
そのはなしにいく前に、ちょっと気になってたことがひとつ。

なんでも関センセェ、若いころ『葬式の関』って呼ばれていたことがあったんですって。
どうして、そんなふうに呼ばれていたのかしら…

関のざれごと

大事件勃発!

チッ!
んなもん、大した理由じゃねえ…

6番車の時、本線つぶしてデカいの出したりなんてのが何度かあったからだよ。
その頃の6番車ってのは白黒のツートン、葬式カラーだったんでな。

取手の記念も6番車で優勝。
これから話す、中野さんを破った1978年10月の京王閣記念も6番車。

で、この京王閣の時なんだけど、ゴールの瞬間、現場にいた客のジイさんが一匹ショック死しちまったらしいんだ。

したら翌日、『葬式の関』なんて見出しつけたスポーツ紙があってよ…

そんでしばらくは『葬式の関』って呼ばれるようになっちまって…
本当、迷惑この上なかったぜ…

んも~
センセェったらホントろくなもんじゃないね!
車券はずされたうえに死んじゃうなんて
おじいちゃん、かわいそう…

いや、逆!
取ってたらしいんだ
万シュ~取って興奮しちまったんだとさ…

……

オレは小型車

さて、その京王閣の話だけど、その前に、もうちょいその頃のオレの話な。

当時のオレって、スピードは持ってたんで押さえるより叩いて出るってスタイルの先行だったんだ。
出切って流して、んで、もう一回踏んで粘るってパターン。
まっ、教科書の1ページ目に出てくるような走り方よ。

で、こういう走りって、仕掛け時に一気にスピード上げて踏んでくから後ろまわる方も結構脚使うんで案外持っちゃたりすんのさ。

けど、オレの場合、トップスピードに上げるまで多少距離使っちゃう方だったんだよな。
なもんで、いまいちスピードに乗れなかったり、仕掛けのとき合わされたりなんて時はちとモロいとこもあったんだ。

後ろにすんなりついてこられた場合もけっこう食われたしな。
かかりの悪い時は簡単に捲りの餌食にもなったし…

まさに、「タレ先」…

結局、当時のオレって、クルマに例えていうなら小型のスポーツカーみたいなもんだったんかな…

中野さんもタイプ的にはオレと同じスピード型だったけど、格としてはヨーロッパのスポーツカー!

オレが1000とか1500ccクラスだとすると中野さんは2000…
いや、3リッタークラスか…

まともにやったら、そりゃかなわねえよな…

スーパールーキー!山口健治

その点、オレの半年後(1976年11月)にデビューしてきた山口さん(健治/38期•OB)はやっぱすごかったよ。

キッチリと即、A級特進!
1978年の正月には、もう天下のA級1班様。

しかも、この年初出場のダービーで兄貴の国男さん(24期•OB)とともに優出、逃げての3着で一気にスターの仲間入り。

やっぱ、2000cc超えちゃってたクラスだったのかな…

…なもんだから

35期•中野さん、36期•菅田さん(順和/OB)…
で、37期飛び越えて38期•山口さん…

みたいな雰囲気になってきちまって…

さすがにオレもプレッシャーをかなり感じたよ。

で、とにかくモタモタしてられねえって思いの中で迎えたのが、この京王閣での中野さんとの一戦だったんだ…

1978年(昭和53年)10月、京王閣29周年記念

さあ!
ほんじゃレースの話にいくぞ!

まずはメンバーと展開の方をざ~っと見てくれや…
これ見て涙流せんのは60代から、あとはもうすでに死んじゃってる層の客たちかな?
グッヘッヘッ

【京王閣記念優勝戦】先固2800米(7周)

   

[展開]

ターゲットは中野さんのみ!

当たりめえだけどグリグリのド本命は⑨中野さん!

でもって、この時のオレの腹の中は、とにかく⑨中野さんをつぶすこと。

さっき話したようにオレはイマイチ忘れられた存在になりかけてたろ。
ここで⑨中野さん沈めてもう一回名前売ったろうって思いよ…

さて、この日のオレの作戦な。

まずは自分でS取って、⑨中野さんが来たら死ぬまで突っ張り。
もし外で粘られたまま、こっちが先に一杯になったらそのまま金網持ってって共倒れに持ち込む…

先に②柳井さんの方が動いてきた場合は出させて、⑨中野さんのカマシか捲りに合わせて踏んでく…

この場合も思いっきり外に車持ち上げながらってつもりだったな。

⑨中野さんさえ沈められりゃ、後はもうどうでもいいってなもんよ…

こう言っちゃなんだけど優勝なんて考えてなかったし、ましてや後ろの①ジッツァマに貢献しようなんて気持ちもサラサラ無し…
あの①ジッツアンもオレにはえらくどケチだったからさ…

勝負が始まった

本番では結局、赤板過ぎに⑨中野さんが②柳井さんの動きに合わせて上がってきたんだ。

⑨中野さん、オレが引くと思ってたんだろうけどとんでもねえ。

で、それからずっと突っ張り合い…

外並走⑨中野さんのケツは③堤さんと⑦桑木さんで競り。
いったん下げた②柳井さんと⑤大和さんにとって、展開的には舌なめずりだったろうな…

そしたらホ~レ、来た!来た!来た!

最終ホーム、②柳井さん⑤大和さんで捲り!

さあ、オレも⑨中野さんもここで猛然と踏み込み。

「死んでも出させるもんかい!」

と、思ったんだけど…

やっぱスーパーダッシュの⑨中野さんだよ。
あっさり出切られちゃってさ…

奇跡の瞬間

でもよ

「チ~ッ、終わった~!」

と思った瞬間、勝手に身体が動いたんだ。

そっ!
いざって時、⑨中野さんにやったろうと思ってた事。

思いっきり横に車振ったのよ。

ドッカーンって!

したらさ、⑨中野さんのケツで競ってた③堤さんと⑦桑木さんにドンピシャのタイミングでぶち当たり。

そん時は2人ともオレのこと無警戒だったんだろうな。

一発であっさり飛んでくれちゃった。

レース終わった後ビデオで見たんだけど、2人が飛んだちょうどその時②柳井さんの捲りが来ててさ…
なんとか乗り越えてたけど、あれで多少勢い止められちゃてたみてえだったよ。

なもんで、なんとオレは終1角過ぎから⑨中野さんの番手にズッポリ!
赤板からオレとずっと外並走続けてたお人の番手!

無風で!

しかも、外の捲りは失速状態!

も~、天にも昇る気分とでもいうのかな…

昔の人が、金や石油を掘り当てた時ってこんな気分だったんじゃねえの?

最終4角まわる時

「バンザ~イ!」

って、叫びたくなったぜ…

そんで直線、あの⑨中野さんを交わしに行く瞬間…

いや~全身に快感が走ったなぁ…
あの時は…

あれで「追い込み」って戦法にも強く惹かれるようになったのかな…
グッヘッヘッ…

センセェ、中野さんをやぶった話をしてるときって
目がキラキラしてるね

そりゃ、あの時代のナンバーワン選手だったからな…

くやしいけど本当に強かったよ

へえ~…
センセェがそ~ゆ~コメント出すなんて
ちょっと意外

でもさ、センセェにもそんなふうにいっしょうけんめいな時があったんだね
なんか、ちょっとうれしいな

ハイ!
というわけで今回はおしまいです。
あたしも、がんばっていたころのセンセェを見ならって
1970年代け~りん選手ヘアで気合い入れてみました♡♥♡

では、次回をおたのしみに♥♡♥

A面マンガにもどる

SR40話B面『驕れる者久しからず…』

はい、それではB面です!
おととい終了した第37回全日本選抜競輪ですが、制作のつご~で今回は触れられないの…
ごめんなさい…

でもね、あたし関センセェから、開催地だった取手競輪場にからんだビックリするエピソードを仕入れちゃったので今回はそれを紹介しますね!
ぐふふ♥♡♥

あたりのざれごと

あらためて、すっご~~!

みなっさ~~んっっっ!

な、な、なんとですね~
関センセェの記念初Vって取手だったんですって~~~!!!

しかも、しかも、しかも!
A級5班、さらには10代でのゆ~しょ~ですってよ~~~!

も〜、にわかには信じられない話ですけど
当時、有望な若手の誕生ってことでかなり注目をあびるようになったそうなの!

まるでレベルの低いマンガにでも出てくるよ~な夢物語でしょ!
聞いたあたしもビックリ!!!

でも、神さまってやっぱりちゃんといるんですね。

「おごれるものは、ひさしからず…!」

に、ちゃ~んとなっちゃいましたもんね
フフフ♥♡♥

関のざれごと

1977年(昭和52年)4月、取手27周年記念

タレ乳の毛乳頭が調子に乗りやがって…

あれは18~19の頃だったかなあ…

今、バカがはしゃいでた通り、オレの記念初Vは取手なんだ。

実は、記念に乗っかたのもこの時が初めてだったんだけど、選手になってまだ一年ちょい。
それで記念を一発ツモ。

オレは、自分が天才だってこの時確信したよ。
絶対、天下取ろうと思ったもん。

レース展開

【取手記念優勝戦】先個2400米(6周)
①岩崎誠一   (青森)1班•31期/両
 ②新田計三   (徳島)1班•19期/両
○③工藤元司郎(茨城)1班•16期/追
   ④吉岡隆信   (京都)1班•27期/先
△⑤新井正昭   (埼玉)1班•31期/先
   ⑥関 優勝   (東京)5班•37期/先
▲⑦稲村雅士   (群馬)1班•16期/追
   ⑧木庭賢也   (長崎)1班•33期/先
◎⑨谷津田陽一(神奈)1班•25期/両

ダ~リン♡♥のパパ

「ほお~、こんな資料がまだ残ってたんだな!」
「いや~懐かしい!」

そうそう!
レースは、まずスタートとったのが①岩崎さん。

その後、多少の出入りがあって、落ち着いた後の隊列は

①岩崎さん~③工藤さん、⑨谷津田さん。
中段に④吉岡さん~②新田さん~⑧木庭さん…

で、⑤新井さん–⑦稲村さん、⑥オレ!

セ、センセェ!センセェ!センセェ!
ま、ま、ま
まさか新井さんって…

うっせえな~!
そう!
おまえのダ〜リンの親父さん…!

ウソみたい…
センセェがダ~リン♡♥のパパと…

工藤さんだって
あの、夜の商売で日々客どもを食い物にしまくってる
ね~さんの親父さんだぜ

えっ⁉︎
あ~っ、そうそう
そ~よね~~!
工藤わこさんのおと~さま!

ミッドナイト競輪の司会で埼玉もホント~にお世話になってま〜す!

でも、そんな方々とセンセエが…
あ~、も~ダメ!
気がヘンになりそ~~~!

そ~いや
この時の新井さんは、まさに雲の上の存在だったなあ…!

前の年の千葉ダービー優勝してて、この取手の直前も一宮ダービーであわや連覇の2着!
最後、小池さん(和博/30期•OB)に食われちまってな…
格が違いすぎて、オレなんかカケラも相手にしてもらえなかったよ(笑)

よかった~!
パパがけがれなくて!

息子の方は、おまえに
さんざん汚されてっけどな!

あの頃のセンパイ

そっそう、新井さんだけじゃないぜ。
当時のとっつあん方は、み~んなまだ雲の上の存在。
小僧なんて誰も相手にしてくんなかったよ。

あん時も、優出したとはいえ、実際のところ間違えと恵まれで勝ち上がっちまったようなもん。
工藤さんにも、稲村さんにも声すらかけてもらえなかったな…

今と違って、昔の人はみんなそんな感じよ…

ちなみに当時、オレの東京地区は山口国男さん(24期•OB)、桜井久昭さん(28期•OB)、田仲俊克さん(29期•OB)平林巳佐男さん(期前•故人)がトップランクの人。

国男さんとか桜井さんなんて得点順位でベスト9に入ってたくらい強かった頃で、その頃のオレの第一の目標は、まずこの人たちに並ぶってことだった…

で、桜井さんはその一番強くて稼ぎまくってた頃に松戸から西武園に引っ越してきたんだけど、これがまたすさまじくケチでさ!
若い衆のこのオレにキュウリ1本奢ってくれなかったよ…

ホント⁉︎
やっぱ、センセェとちがって選手時代は「おごり」がなかったんだね

でも今は桜井さん、あたしには売店でチクワとかおごってくれるよ

フン!
歳とっておごりがでたな

バカヤロてめえ~!
『キッチンひの』で、どれだけメシおごってやったと思ってんだ!

はいはい
おごれるものはひさしからず!

飲み込めるとは思わなかった

さて、レースの話に戻るけど、赤板すぎにまず④吉岡さんが動いて、その後打鐘4角で⑤新井さんがカマシ。

⑤新井さんの3番手に乗っかってたオレだけど、この時はうまい具合にスピードにも乗っかれてたんだ。
ストレス無くスムーズに、というか水の流れにうまく乗った感じというか…

最終的には⑤新井さんが出切るんだけど④吉岡さんが結構粘って二人のもがき合いがかなり長引いたんだ。

んで、だったらダメ元、イチかバチか行っちまえと思って、最終3角あたりから一気に踏み出したのよ。

アウト3番手のオレとしちゃ、もし⑤新井さんが出切れなかったらそこで終わりだろ。
それに、せっかくスピードに乗れてるのに前がタレて、こっちのスピードまで一緒に死んじゃうのも嫌だったからさ…

も~、ただただ脚まわし続けて、外をひたすらグオ~ン~!

そしたら、

「あっと驚くタメゴロ~!」

気がつきゃ頭で突き抜けちゃって…

あん時は、ゴール線もほとんど見ず!
ハンドル投げる事忘れてたくらい
ただただ金拾うことだけ考えて、もがき続けたよ…

まさに無欲、無心、無我の境地ってやつだったな
とにかく心臓がよく持った!
フフフ

なるほど
邪心、邪念、欲のかたまりでの勝利だったんですね…

世界がオレ中心に回り始めたような気分

まっ、とにかくあの優勝は本当にうれしかったし最高の気分だったよ!

新井さんは、もし崖でもあったら飛び降りちまうんじゃ…
みてえな顔してるし、工藤さんはニヤリと笑って

「こりゃ帰り道が怖ええ…」

とにかくタイトルをものにしたおっさんたちが何人も乗っかってる競走で勝ったのは本当に自信になったな。

中野さん(浩一/35期•OB)菅田さん(順和/36期•OB」と、これから出世争いだって本気で思ったぜ。

も~
「おごり」まくりじゃん…!(笑)

バッカヤロウ!
言っとくけど次の年の昭和53年
オレは京王閣記念で中野さん差して優勝してんだぞ!

ホント⁉︎

あの時の中野さんもメチャクチャ悔しそうな顔してなあ…
ドッハッハッ
今でも頭に浮かんでくるよ
ヒッヒッヒッ

そ~だ、センセェ!
次回は、その話でいこうよ!

中野さん食った話か…?
まあ、あの優勝も本当にデカかったな…

天下人への道が見えてきたし、あと、中野さんに流れる金を少しでも阻止するという社会的意義も大きかったからな

も~
「おごれるもの」
を、てって~して
つらぬいちゃってたんですね…

でもさ、今のセンセェの姿みてると
ことわざとか格言ってホントにそのとおりって感じちゃう(笑)

ハイ!
とゆ~わけで、今回はそろそろおひらき!
ところで今回の、レベルの低いマンガに出てくるような夢物語は『ギャンブルレーサー 』というレベルの低いマンガの22巻に入ってるそうです。
でも、教育上このましくないので良い子のみなさんは見ちゃダメよ!
でわ!