78話B面『お絵かきガールズ♡♥』

も~ビックリ!!!
先日、ハゲのタナカセンセェが、な、なんと若い女の子たちにかこまれて一日を過ごすというジョ~シキてきにはありえないショッキングなできごとがあったんですって!!!
ほんと~に今はなにが起こるかわからない時代です!!!

本当にねえ…

オレ自身たまげたもん…

さあ、ど~しよ…

実は知人に、小学生から高校生くらいの子供集めて、なんか教えてる先生がいるのね。
で、マンガやイラストの体験学習みたいなのを以前から頼まれてたんだ。

最初、話を聞いたときは

「なんでオレが?」

と思ったよ。

理由はみなさん想像つくでしょ?

今まで描いてたもんがアレだしさ…

でもね

「まっ、いっか!」
「オレもジイさんになってヒマだし…」

ウイルスの関係で延び延びになってて三月の終わりにようやく実現することになったんだけど、参加希望者は新中学生になる子から高校生までのオール女子で6名。

男子はゼロ!

なので、そうでなくても女性に免疫のないオレは

「ひえ~~…」

だったんだけど、やっぱ仕方ないのかな。

オレだってそのくらいの歳の頃は

「バッキャロ~、お絵かきなんて女のするこったろ!」
「男がそんなつまんねえことできるかい!」

だったもん。

それでいて

「パチンコってのは玉を換金できんだぜ」

みたいな話を聞くと

「お~、オレも行く行く!」
「やり方教えて!」

みたいな感じでさ…

でも、当時の男の子ってのはだいたいそうだったんじゃない?
でしょ?
違う?
(笑)

まっ、時代が変わったとはいえ、それでも男は意識の変化なんてそんなにはないだろうからね。

ゆえにマンガの体験学習なんてもんに参加者ゼロでもなんら不思議はないんだけど…

マンガ家さんごっこ

さてと
で、当日の話ね。

先生が5人連れて我が家にやってきたんだけど、内訳は旧学年で小6(1名)中3(3名)高1(1名)。

(残念ながら風邪で1名欠場)

上と下で歳が離れてるから最初どんな内容にしようかって少々悩んだんだ。

小学生と高校生に同じ内容で話すってわけにもいかんでしょ。

で、もう面倒くさいから

『お医者さんごっこ』…

じゃなくて

『マンガ家さんごっこ』

ってのをやることにしたの。

「このお仕事はね…」

的なことを黙ってゴチャゴチャ聞かされてるより、なんかやってる方がヒマつぶしにもなると思ってさ。

ってなわけで、みんながマンガ家になったつもりになって、描くテーマやキャラクター、ストーリーを相談して、それからそれぞれでネーム、コマ割り的なことをして遊ぶっつうスケジュールで開始したんだ。

想定外

ちなみにオレ、子供たちを迎えるにあたって、年齢もそうだし美術系の教室に通ってる子たちってわけでもないので、全員何もできない、知らないってのを想定してたの。

ところがビックリ!

参加した子たちはみんなイラストやマンガが好きで普段それなりにやってたみたいなのよ。

今まで描いた作品やスケッチを持ってきてくれたんだけど、どの子もえらく上手でさ。

自転車でいうなら、本格的に練習すれば競輪学校(現養成所)合格タイム出せるかも、ってくらいのレベル。

お世辞抜きに。

オレんとこも、昔は結構な数のアシスタントさんやアシスタント希望者が来てたんだけど、こう言っちゃなんだけどこの子たちより低いレベルも多かったもん。

もちろんみんな成人でだぜ。

で、何より驚かされたのが、とにかく丁寧に一生懸命描かれていたこと。

どの作品やスケッチも何時間もかけて作られているものばかりで、愛情や情熱が見てる側に十分伝わってくるものだったんだよね。

アシスタント希望者の応募原稿とかって

「ふざけんなコノヤロ~」

って瞬間感じるようなものも結構あったもん。

上手い下手じゃなくて、どれだけ思いを込めてやっているかって部分で特にさ…

ひょっとして真剣さや真面目さっていうのは歳とともに薄れていくもんなのかね?

とにかくハートの部分は、今回訪ねて来てくれた子供たちは素晴らしいものがあったよ。

こんな子たちと仕事できたら楽しいだろうなあって本当に思ったし…

なもんだから、「ごっこ」は「ごっこ」なんだけどそれなりのごっこになれちゃったのは嬉しい誤算だったかな。

へえ~
たのしそ~!
センセェ、よかったねえ~!

ヘンなマンガばっか描いてたヒトだったのにねえ…

いやホント!
でもさ、実際のところは何かを教えるっていうより何かを教えられてたって感じかな

純粋さとか誠実さとか…

大人と子供の関係って、実は大人の方が教えられる側なんだって改めて思ったもん

たしかに、そ~かもねえ…

あたしたち大人も、とくにちっちゃい子たちのように
心をひらいて
うんと素直な気もちで人の話を聞いたり
ものごとに取りくんだら
あたらしい発見があるかも…

ヘヘン
オレはガキの頃から
例えば予想屋の能書きなんて
ハナから信用せず聞いてたもんだけどよ…

そ~ゆ~性格だから
そ~ゆ~大人になっちゃったのね
かわいそ!

じゃ、おまえはいつも予想屋やコーチ屋の言うこと
信用してたか?

よそ~屋のおじさんたちって
あたしにはいつもタダで予想くれたし
お菓子とかもよくくれたもん

チッ
あいつらの予想なんてタダでもいらねえけど
お菓子はいいなあ~

やっぱ女子供は現場じゃ特権階級か…
オレも子供になりてえ!

うわ~
かわいいストーリ~~~!

タナカセンセェも
少しはこんなふ~に
心があったかくなるよ~な物語つくれないもんかしら…

ハッハッハッ
たしかに懐がさむくなるよ~なの専門だったもんね…
ちょっと、がんばってみようかな!

とゆ~わけで、今回はおしまいです。
あたしは今日から、も〜いっかい心を入れかえて生きてみようと思いました。
みなさんもぜひ心入れかえてけ~りん場かよってくださいね。
でわ!

A面マンガにもどる

SR41話『雨ニモマケズ』

待ちに待った春がきたのに、いま世界中の人びとがかなしい気もちでいっぱいですね…

これから世界はどうなっていくのかしら…
まるで世界史の動画や画像を早送りで見せられているかのような毎日です。

でも、未来はぜんぜん見えてこないの…

こんなふうに生きてみたい…

いまは想像をぜっする大変な思いや苦しい思いをしてる人がいっぱいいるってときなのに
ど~して、あんなセリフをクチにできるのかしら。
しかも、宮澤賢治さんのあのステキな詩をブジョクするよ~な…

さすがに今日という今日はゆるせません!

いや、ホント!
ボクも腹わた煮えくりかえったよ…

でも、こいうときに
あの

『雨ニモマケズ』

はたしかに心をうたれます…

《雨ニモマケズ》

雨にもまけず
風にもまけず
雪にも夏の暑さにもまけぬ
丈夫なからだをもち
欲はなく
けっして怒らず
いつも静かに笑っている

一日に玄米四合と
みそと少しの野菜を食べ

あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし
わかり
そして忘れず

野原の松の林の陰の
小さなかやぶきの小屋にいて

東に病気の子どもあれば
行って
看病してやり

西に疲れた母あれば
行って
その稲の束をおい

南に死にそうな人あれば
行って
怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い

日照りのときは涙をながし
寒さの夏はオロオロ歩き

みんなに
デクノボーと呼ばれ

ほめられもせず
苦にもされず

そういうものに
わたしはなりたい

(※読みやすくするため原文の字句を変更しています)

あたり
新井
オレが悪かった…

ふん!

お寺行きですね…

どうやらセンセェも

『雨ニモマケズ』

にはあらためて心をうごかされたようです…

と、おもいたいです…

 

う〜ん、おもっただけムダでした…
クソッ!

ところで今、あたしにはもうひとつあたまにうかんでるお話があります。

それは寓話の『北風と太陽』

人間は感情的になるとおうおうにして発言や発信が過激になり、強引な判断、行動に走りがち…

こんなときだからこそ、こちらも教訓として生きていきたいなっておもいました。

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