85話 安部達也『あたりまえの日常を』

ふう~…
本日は節電に きょ~りょくするため、安部達也せんしゅと うす暗~いBARで うす暗~く語りあってまいりました…

安部達也

安部達也

おい、あたり
おまえ、安部とはどういう関係なんだ?

そういう暗がりで、まさかやましい関係ず~っと続けてたんじゃねえだろうな

ちょっとやめてよ!
ヘンなことゆ~の!

安部さんがどんな人かなんて知らなかったし、記憶にないし、記録にないし、法に触れることやってないもん!
あとでなんかまた新しい事実が色々出てくるかもしんないけどさ…

どんな人か知らねえ?
しょっちゅう顔を合わせてて、しかも今さっきまで薄暗いBARで一緒にいたんだろ!
画像だって、もうネットに上がってるじゃねえか!

BAR行くことなんていっぱいあるし、全部覚えてられるわけないでしょ!
いろんなとこで何回も会ってる人のことでもさ…
それに、あたしは今、支部のコロナ対策係に任命されていそがしいの!!!

おい、白岩!
調査しなくていいのか!

そ、それはもう それぞれが自らの責任で丁寧な説明をしていくことが大事で…

ったく、あの女ときたら今までいったいどれだけの選手たちと深く、かつ不適切な関係続けてきたんだ…

うぎゃ~~~!!!!
センセェ…
いい気になって、それ以上つまんないことゆったら地獄におちるからね!

ハッハッハッ
あたりがどれだけの選手とズブズブの関係持ってきたのか疑惑は深まる一方だけど、まあいいや。
そんなことより安部の話だわな。

コラ~!
まだ、ゆ~か~!!!

選手は全員…

しかし、安部もかわいそーに…
最後のあのウスバカゲロウの一言には、さぞ頭きたろうな…

失格はまだしも、落車の あの痛みやつらさは選手じゃねえとわかんねえもんな…
選手生命に関わる可能性だってあることなんだしよ…

客どもは安易に気楽に

「落っこちろ!」

なんて野次飛ばしてくれるけど、こういうのが一番ドタマにくんだ。

「バカ!死んじまえ!」

ってセリフの方がまだマシってくらい落車ってのは本当にイヤな事なんだよな。

うえ~ん~~~
あ、あたしがワル~ございました~
あんなことゆ~のは、もう二度と~!!!

実を言うとさ、マンガでも一番描きづらかったシーンって落車や事故関係なんだよね

連載初期の頃
「たとえマンガの中でも落車は縁起が悪いしイヤだね…」
って選手に言われたことがあってさ

ゆえに実在の選手に関しては極力避けてたけど、やむを得ない場合、心の中でお詫びしながら描いてたね

長期S級 ダテじゃない!

わかりゃいいんだ、わかりゃ…!

さて話は変わるけど、安部もやっぱさすがだよな。
今や絶滅危惧種になりかけてるマーク屋稼業で上の点数守り続けてきてんだもん。

とにかく継続するってことが一番大切で何より偉いことと思うんだ、オレは。

一定の成績を維持し続けるのに何よりモノを言うのは日々の過ごし方。
で、日々の過ごし方ってのは性格、精神力が大きく左右する…

ある意味、これは身体能力とは関係ない分野だけど、備わっているか否かってでけえんだよな…

「練習は嘘つかねえ」

ってセリフがあるけど、本当そうだと思うぜ。
そりゃ政治家と選手はウソをつくのが仕事なんだけどさ…

安部、まだまだがんばってくれ!

新井剛央

追走技術はダテじゃない

安部さんも前回の尾崎さん同様に決して体格的に恵まれているわけでもありませんが、追い込み選手として永らくS級で活躍されています。
練習はもちろん真面目です。

昔、伊藤公人さんのグループで練習されていた時期もありましたので、とても研究熱心な方ですね。

安部さんもいまは、平原君のところで練習していますので、自分も常日頃お世話になっています。
追走技術やコース取りはレースを見ていると流石ってところをよく見てますので自分も見習いたいですね。

白岩大助

同世代の大切な先輩

安部選手は副支部長の言うように前回の尾崎剛選手と選手としてのキャリア、そして練習グループ、体型などを含め同じようなタイプになると思います。

お2人共、競輪選手を多く輩出している名門『川越工業高校』出身で1つ違いの先輩後輩。
当時から切磋琢磨しながら成長し合って来た間がらです。
私も副支部長もお2人と同世代なので色々学びながら追い込み選手としてたくさん吸収させて頂きたいです。

ちなみに安部選手とは83期の2次試験で一緒に競輪学校に行きましたが、試験の夜に宿舎で私は他の埼玉の受験生の先輩達と一緒にカップラーメンの早食い対決をしてふざけていました。

安部さんは試験に集中して真面目にされていたので当然合格しましたが、私を含めふざけていた受験生達は言わずもがな全員落ちました。
その次の試験ではふざけずしっかり集中して合格する事が出来ました。

当時の自分にとって良い勉強になりました()

裏話はこちら

85話B面『大賛事発生?』

先月の寬仁親王杯で新田祐大選手(90期・福島)が見事グランドスラムを達成しました。
おもいっきり祝福をおくりたい あたしです。
「やった~!」
「バンザ~イ!」

だれですか?
「判定が…」
なんて、いつまでもグチグチ言ってるのは…

疑惑の判定?

まあ、グチグチ言ってる人の気持ちもわからんではないけどね(笑)

オレだってダイジェスト何度も見返したもん。
「後続の内抜きがセーフ」となる前走者の外線外しが、どのタイミングで発生したのか確認したくて。
結局、老眼のせいもあってか発見できなかったけどね。

まっ、でも納得するしかないんだけどさ。
あくまでも審判員の判断により判定を下すっちゅうのがルールなんだもん。

究極の真実かどうかってのはまた別の話だし。

他のスポーツとかでもよくあることだしね。

あっ、でも誤解のないように言っとくけど、オレが見ているダイジェストの映像と、審判員が判定のために見る映像は全然違うものだからね。
実際には古性優作選手(100期・大阪)が外線外した一瞬が きっとあったとは思うよ。

神の微笑み

というわけで、判定に関しては若干スッキリしない部分もあったけど、懸命に戦って栄誉を勝ち得た新田選手には全く関係のない話。

大偉業の達成を素直に祝福したいかな。

そもそもあの展開になったら、もう内勝負一本に賭けるしかなかったろうしさ。
もちろん、前が内を開けなかったら一巻の終わりっちゅう大博打ではあるけれど…

それにしても、本当にすごいこと成し遂げたよね。

タイトルを複数取るってだけでもすごい事なのに全冠制覇だよ。
実力、努力だけではどうにもならない領域でしょ。

勝利の女神…
というか、運命の神様、お天道様に微笑んでもらえた存在として、これからもますますの活躍とともに我々に夢や希望を届けて欲しいね。

う~ん、なんて皮肉な…

さて、本来なら ここでこの話題はおしまいってなるんだけど、今回のレースではやっぱり守澤太志選手(96期・秋田)にも触れないわけにはいかないかな。

それにしても勝利や運命の神様たちってのは、どういう基準で微笑む相手決めてんだろ?
だってもう、守澤選手は本当に素晴らしい捲り、見事な脚を見せてくれたじゃない。

なのに微笑んだのは最高の走りを見せた方でなく、ある意味 展開恵まれた方…

神様たちが微笑む基準ってのも本当よくわかんないね?

神様は公平?

まっ、神様の話は抜きにしてもさ、人生ってやっぱり不思議に思うな…

どうしてこう不公平な流れってのが当たり前のように出現するんだろう?

くどいようだけど、そもそもタイトル戦の決勝に何度も乗っかって来れる選手って、タイトル獲得した選手たちと力や努力の差なんてほとんどないと思うのよ。

それどころか、どちらもまさってるなんてパターンもあるんじゃない。

にも関わらず、なぜか取れる選手は時には恵まれ、タナボタ的に取れちゃう事だってあるのに、取れない選手はどんなに素晴らしい展開や脚を見せたとしても取れないんだよね…

今回みたくさ…

Why?
なんで…?

でもさ、だから我々観ている側もそういった選手のさらなる奮闘やがんばりに興奮したり感動できて、ますます応援したくなったりするのかもよ。

考えてみりゃ、必死にがんばったけど結局望みは叶わずって経験持ってる人の方が大多数だろうからね。
ゆえに跳ね返されても跳ね返されても挑戦し続ける姿に励まされたり勇気をもらえたりするんじゃないかな…

そういえば、グランドスラム達成者である神山雄一郎選手(61期・栃木)や現在のナンバーワンレーサー平原康多選手(87期・埼玉)だって現時点ではGPに縁がないまま…

あっ、新田選手もGPはまだだっけ…

じゃ、やっぱりみなさん同じか?

神様たちの判定基準ってのは案外公平なのかな…(笑)

とことん縁のなかった男のある一戦

はい、それではそろそろ終わりにするけど、最後におまけを一つ!

今回の守澤選手の姿を見て、ある人のことが頭に浮かんじゃってさ。
ご近所でホームレスをなさってる元選手で、関さんとかいうお方。

この方もタイトル戦決勝に度々名乗りを上げたけど、とうとう無縁に終わったらしいのね。

しかも1着失格ってレースもあったそう。

というわけで、そのレースを一部紹介しておしまいにするね…

【特別付録/1990年6月5日・第41回高松宮杯優勝戦】

10R  優勝戦(先固3000米)
❶①中野 浩一(福岡)35期1班[自在]
❷②坂 本   勉(青森)57期1班[先捲]
❸③滝沢 正光(千葉)43期1班[先捲]
❹④本田 晴美(岡山)51期1班[先捲]
❹⑤鈴 木   誠(千葉)55期1班[自在]
❺⑥関   優 勝(東京)37期1班[追込]
❺⑦井上 茂徳(佐賀)41期1班[追込]
❻⑧三宅 勝彦(岡山)54期1班[追捲]
❻⑨佐々木昭彦(佐賀)43期1班[追込]

「内抜き失格」…
センセェってほんとイヤミなせ~かく!

別にそういうつもりじゃないんだけどさ…(笑)

まっ、それはそれとして、でもさコレ変な並びだね?
関センセエが九州の後ろについてるじゃん

股ずれのブス!
オレはこのレース、坂本(勉/57期・OB)の後ろ主張してたの!

まあ いい
せっかくだから、ちょっとオレにも発言させろ!

え~っ⁉︎
だって今回はもうおしまいにするとこだったのよ~!

関のざれごと

敵は幾万ありとても

え~、みなさん!

言っとくけど こん時のオレはね、ちゃんと坂本の番手を宣言してたの。
東日本ナンバーワンのマーク屋である以上、東日本ナンバーワンの先行に行くのは当然でしょ。

にもかかわらず!
にもかかわらずだ!
あの、中野さん(浩一/35期・OB)ときたらよ…

「もちろん世界戦ラインで坂本君!」
「早いとこグランドスラムも達成しなきゃだしねハッハッハッ」

だぜ。

おりゃ もう

「上等だよ!ふざけんないバッキャ~ロ~…」

って気持ちになったよ。
で、オレが引かねえって姿勢を見せたんで佐々木(昭彦/43期・OB)は千葉の後ろってことになったんだ。

「競りの4番手になるなら…」

ってことでさ…

けどよ、もしオレが千葉の後ろまわったらまわったで、佐々木が鈴木(誠/55期・OB)に番手で競りに来るって可能性もなくはない。
いずれにしても楽な道はどこもなしっつう いつも同様のパターンよ…

でね、並びの話に戻るけど、その新聞の並びは ふざけたことに戦う前から もうオレの競り負け、もしくはあきらめて4番手ってのを前提に作りやがったんだ。
本来なら②⑥①⑦って表記にするのがスジなのにさ…

ふ~ん…
で、じっさいの展開はど~なったの?

これまたふざけたことに新聞通りよ…

幻のグランドスラマー?

あの〜みなさん、オレだって一応がんばったのよ。

ただ例によって道中、井上さん(茂徳/41期・OB)が絡んできたんでさ。
で、打鐘が入った時は結局4番手にされちゃって…

そんでも最後、3番手井上さんが外張りに行ったところで内に潜り込んではやったんだ。
だけど、そしたらまた戻ってきてオレを思い切り内に押し込めやがってさ…

おかげで、坂本交わして出た中野さんに続くつもりが外に出れずでイン詰まり…

もう仕方ねえから、今回の新田同様そのままイン突撃…

ほんで、見事1着失格…

まっ、即あきらめはついたけどな…

なるほど…
やっぱ センセェは神さまにも そ~と~きらわれてたのかもね

フン!
でもまあオレは壺だって買う方じゃなく振る方だったかんな

アッハッハッハッ
じゃ なおさらだね…

あっ、でもさ くり上がりの1着 中野さんでしょ?
じゃグランドスラム達成してるってことになるじゃん!

ってことは、あのマンガって…

あの~
そういう つまんないこと言うのは無しにしない(笑)


う~ん、なんかとってもフシギです。
あたしにとっては中野浩一さんも関センセェも、たしかに実在してるのに ど~して歴史上の事実で一致しないことがいろいろあるんだろう…?

そういえばあたしだってまちがいなく存在してるんですよ。
いまも こ~して文字打ってる自分がいるし…
まっ、いっか!
アタマが混乱してきたからおしまいにしよ!
でわ!

「我思う 故に我あり」
ここでは、あんまり関係ないね(笑)

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