第43話 脇本雄太『強すぎていやになったぜ!』

う~めんどくせ~!

今回からまたオレだ!

ってなわけで親愛なる皆さん、復帰第一発目は一月以上も前にダービーツモった脇本な…

脇本雄太『強すぎていやになったぜ!』

脇本雄太『強すぎていやになったぜ!』

それにしてもよ、先行屋が今の脇本みてえにカマシと捲りだけで圧勝できる身分になっちまうとマークする方だって、もうお手上げだよな。

自身の根本的脚力を上げる以外対抗する術なんてねえもんよ。

敵の先行屋なら、ラインでどうにかって手もあるんだけどさ…

ところでお前ら、先にお手上げだとは言っちまったけど、もし身内に強力な先行が誕生して実戦で同乗ってなった時、それでもどういう対抗手段を考える?
諦めるって選択肢は、とりあえずナシで。

こいつへの回答は客もきっと注目するんじゃねえのかグヘヘへへ!

自分の場合は、もし離れてしまったとしてもそれは自分の責任だと思ってるんで特にあーしろ、こーしろの作戦は練らないですね。

その子の脚質も考えて、同じレースの相手の得意パターンや、この並びだったらこうしようとかという話くらいはして、なるべくラインで決められるような作戦を第一に考え競走に挑むといった感じでしょうか。 

今回、日本選手権で完全優勝を果たした脇本くんは強力すぎますけど、自分の弟子や同じグループで一緒にやっている子達は特にもっと上を目指してもらいたいと思ってます。
そんな中で揉まれながらもまだまだ自分も頑張らなきゃなって、思います。

身内に強力な先行の誕生ってのは本当に嬉しいことなんだけど、反面あんまりぶっ離れが続くとやべえって思っちまうよな。
けど、当然そいつのスピードに合わせられるよう練習にも一層力が入り最終的には自身の脚力アップに繋がるんだから、やっぱりいいこと尽くめってことだわな。

副支部長の言うよう、まずはその先行選手が勝てるように、そしてなるべくラインで決まるように作戦を練ります。
ついて行けるか?行けないか?は、後ろの問題です。

力を出し惜しみしてその先行選手が負けてしまうようなことがあってはいけません。
その中で先行選手やお客様に迷惑を掛けないよう追込み選手は一生懸命頑張ります。

今の脇本選手のように勝って当たり前と思われるような選手はその勝ち方というのが注目されます。
お客様はもちろん、同じ競輪選手からも凄い!と思われるようなインパクトを与えて勝てる先行選手がこれからの競輪界にはもっと必要です。

埼玉も東京も今、若手の強い先行選手がたくさん出てきましたので脇本選手を目指して頑張ってもらいたいですね!

長くなってしまいましたが、追込み選手側の事情も少し。

先行選手が強くなれば、追込み選手も進化が必要になってきます。

昔の競輪は強い選手のハコ勝負(追込み選手等による強い先行選手の後位の奪いあい)というのが「競輪の華」でもありました。
しかし、制度的なものやスピード競輪化といった時代の変化に伴い、追込み選手の走りというのも縦勝負となる事が多くなりました。

縦あっての横。
今の追込み選手は昔と違い、まずは自力選手について行くためのスピード練習が主体となりました。

先行も追込みもパワーとスピードを磨くトレーニングがメインとなって来ています。

最近でも千葉の和田選手、大阪の南選手などは最近は自力含みに戦法も変わって来ていますので、そういう方向性を示していると思われます。

追込み選手の進化にもぜひ注目していただければと思います。

オレも同感!
競輪ってのは、本来、線じゃなくて点!
線てのは点の延長線なんだよな。
そうそう今思い出したけど、強い追込み選手ってのは逃げてもそもそも強えんだ。
日本一の盗っ人(マーク屋)って呼ばれた、あの井上(茂徳/41期・OB)さんだって、結構歳食ってた頃だったけど、たしか宮杯の先行不在になったレースでしっかり逃げ切ってたからな…
まっ、裏を返せばあの人の場合、トップクラスの先行選手がワル知恵働かせてマーク屋やってたってことなんだけどよ!
でも、これからの時代はそういうのも普通になって行くんだろうな……
このオレだってS1の頃なら、B級やAの3~4班相手なら常に逃げ切る自信はあったぜグヘヘ!

八多あたり

ハイハイ!
センセェは、たしかに立場の弱い人たちには超人的に強いですものね。
自分より強い相手にはあんなに弱いのに…

さて、競輪は、これからもさらに進化する。
たしかに、わたしもそう感じます。

そんな競輪をたくさんの方々に興味を持っていただけるよう、わたしたちもますますがんばらないとですね♡♥

でしょ?
センセェ!

オイ!お前だって、事務所の後輩や、おとなし目の同僚にはめっぽう強いっていうじゃねえか?
それでいて上司のオッサン達には常に猫なで声で「ニャオ~ん♡♥♡♥
4月に移動で来た、かれはちゃんや新入社員のおねえちゃんがそう言ってたぜ。

!………い…いじわるしなくっちゃ…

う〜い〜〜……
死にぞこない…
じゃなくて親愛なる皆さま方よ〜!!!

6月2日の西武園GP見に来た人いる〜?

いや〜今年のは本当面白かったよな!!

なに!?
誰もいない?

「あんたら何考えてんだバカ!!!!」

ったくしょうがねえな〜!

んじゃあオレが詳細伝えてやるよ…

陣容は以下の通り!

西武園GP2019夏 先固2025米(5周)
①大矢崇弘(S2・東京・102期・逃)
②笠松将太(A1・埼玉・100期・逃)
③樋口開土(A3・東京・113期・逃)
④植原琢也(S2・埼玉・113期・逃)
⑤鈴木輝大(A3・東京・113期・逃)
⑥浅見 隼(A3・東京・115期・逃)
⑦一戸康宏(S2・埼玉・101期・逃)
誘導 内藤高裕(96期・東京・偏差値25)

並び ❻③、❺①、❹⑦②

コメント:
大矢 輝大はイケメンだと思い上がってる
笠松 一歳の娘の日本語レベルが自分より上
樋口 身体だけなら隼は立派な肉体労働者
植原 西武園クラブはクズばっかじゃん
鈴木 性格悪い植原が特進決めてムカつく
浅見 オレを使うようじゃ開土さんはもう
一戸 将太はオレや犬よりバカ

どうだい!競輪ファンならぜひ見てみてえと思える一戦だべ!!
オレもメンバー表見たときビックリしたもん!
ド新人の浅見がいなけりゃA級準優から決勝って感じだもんな。

なっ、来れば良かったって、あんたらだって思うだろ!

で、競走の方だけど、スタートで前取ったのが浅見ー樋口、続いて鈴木ー大矢、植原ー一戸ー笠松。
赤板で前段押さえた埼玉勢を鈴木ー大矢がさらにフタ。
下げた浅見ー樋口は打鐘から叩いて一気に先行。

それを追って、鈴木ー大矢、植原ー一戸ー笠松で一本棒。
最終バックで植原が捲り発進、それに合わせて鈴木も捲り。
前段捲り切った鈴木ー大矢、その外で粘る植原ー一戸ー笠松で最終直線。

結局、そのまま鈴木が押し切って1着。
植原追走の一戸が直線追い込んで2着。
鈴木の外粘った植原が3着。

大雑把だけどこんな感じの展開。

本番の競走じゃねえから横や無茶は無しだったけど、それでもかなり迫力があって本当に良いレース見せてもらえたなって素直に思えたよ。

あっ、そうそう、ついでにちょっと言っとくな。

鈴木がコメントと控え室の中じゃ先に出世した同期、植原の悪口を散々言ってたんだけど、確かに強いし器用だしイヤミを言いたくなるのはわかるんだ。

でもよ、植原はオレの姿を見かけたら立ち上がって笑顔でちゃんと挨拶してくれて、その上、取手の場外買う資金まで貸してくれたんだ。
このやろ〜、ど〜せ特進決めたばかりで鼻高々だろうと思ったらその逆でかなり感じのいいやつでさ。
となりゃあ、今後は、こいつもうんとえこひいきしてやらにゃあとオレは思ったね。

ゆえに、植原のコメントは正しい!
「西武園はクズばっか!」

おそらく鈴木もS級行くようになれば、周りから、顔はいいけど性格最悪とか陰口叩かれ直立不動でオレに金品差し出すようになると思うんだけどさゲッハッハ!

それから、一戸!
お前よく言った!

将太は確かにお前や犬同様バカ!

ついこの間、大宮で優勝したけど4年ぶりくらいっつうんだから。

だけど、ちゃんと逃げ切りで勝ててんだぜ。
今まで、オレや客どもにどれだけ迷惑をかけて来たことか…

そこいらへんのチョウチョよりバカだろ!!!

さてさて、ってなわけで、バカども…
じゃなくて親愛なる皆さん方よ!

たとえイベント的なものであっても現場に来りゃごくたまに、もしくは奇跡的にこういったもん見れる機会に出くわすこともあんだから、ど〜せ働きもせずゴロゴロしてるなら積極的に覗きに来いや。

ど〜せ、人生そう長くねえんだろ?

もちろん覗きったって変なもん覗きに来られちゃ困るんだけどよ。
ガールズの選手もいれば、あたりみてえな女の職員も何人かいるしな。

ちなみに西武園の女子更衣室と風呂場の位置はやけに詳しいヤツが浦和あたりにいるから、現場にさえ来りゃ聞き出せるかもよグヘヘへへ!
オレもそいつから聞いて早速「いなげや」の…

センセェをただちにクビにするよう上司に報告させていただきました!
あとさぁあ、コ〜ダイくんがタクヤくんの悪口って………ぜんぶセンセェのつくり話じゃん…(汗)

 

セカンドレーサー第8話 『死闘!?廃品GP♡』

親愛なるみなさ~ん♡♥♡
今回も、私あたりがお届けしま~す♥♡♥

松戸でやられたセンセェは、まだ、ふてくされててボートの方に行っちゃいまして…(汗)

でも、実はこの前ちょっとだけ地元地区のイベントにお顔を出してくれたんですよ…

というわけで、そのうち天国か地獄(関センセェはもちろん地獄)に行っちゃうみなさんたちによるイベントが行われた同地区ですが、

な、な、なんと!
来たる6月2日、西武園競輪場では取手記念場外発売とともに、毎年恒例のイベント、『体験走行会』(詳細は西武園ウエブサイトで)が行われます。

♬~ヒャホヒャホうっほ~い~♩♬

イベント参加者は昨日締め切りとさせていただきましたが、見学はフリー♡♥♡申し込みの必要もありません♥♡♥

当日は、普段、金網の中でしか見ることのできない競輪選手という謎の生き物たちを外に出し、参加者の方達と一緒に間近で観察することができます♥♡♥
現役を引退した怪しい生き物たちも、場内いたるところに放し飼いされていますので触ったり話しかけたりも可能!!

ただし、生き物たちがお腹を壊すといけないのでエサを与えることはできませんのでご注意くださいね♡♡♡♡

そして、この日の最大の催しは何と言ってもその生き物たちによるエキシビジョンレース『西武園グランプリ2019・夏』!!!!

『競輪グランプリ』とは無縁かつ低所得の生き物たちによる1着賞金ゼロの大一番!

関センセェたちが出場した『廃品グランプリ』並みの熱い戦いを観戦することができます!
車券発売はありませんが、お客様同士によるナイショのノミ行為は大歓迎(ウソ)!
通報等一切行いませんのでご安心を♡♥

そんなこんなで、普段は触れることさえはばかられる生き物たちへの免疫をつける絶好のこのチャンス!!!

色紙をご持参くだされば、そんな生き物たちのサインをたくさん集められるかもですよ♫♩♫

 

ご家族連れ、小さなお子様たちのご来場も大歓迎!!!

みなさまたくさんのお越しをお待ちしております♡♥♡♥♡♥

はあぁぁ…
サクライセンセェより、またお電話が入りました…(泪)

おい、あたり!
あのトンマ、今回も欠場か?
あのヤロ~、現役の時も、期末になると電卓はじいて、やばそうだと思うと平気で「家事都合」で欠場して競艇行っちまうような輩だったからな…
も~あんな奴は斡旋停止なんて生ぬるいことはせずクビにして、オレにこの仕事やらせろよ!

そうですね…
明日、上司に相談してみます…

ところでよ、こないだの松戸の話の続きなんだけどな…

エ~~~ッッッ!!!
ぃやだ~ん~~んん、もぉ~~~!!!!
こんどは370時間くらいお話になるんですか~~!????

な、なんだよコラ!
盛りのついた高木真備(106期・東京)が宿舎の裏庭で、隠れてきびだんご食ってるのを見つかった時のような声出しやがって!
そういやあいつは確か、2月の立川の開催の時も、金網の前にいたオレのツラ見て今みてえな声出して、やな顔しやがったんだ。
周りにつまらん客どもが大勢いる中、
「ぃやだ~ん~~んん、もぉ~~~!」
「ジジイは2度と来ないで!」
ったく、あの時のセリフ、東京の大先輩であるこのオレは生涯忘れん!!!
もちろん残りは少ねえけどよ!!!
なにがジジイだ!!
言っとくけど、オレは記念競輪は13回優勝して特別競輪まで取った大選手だぞ!!!!
オレの同期で28期の平原康廣のせがれ、康多(87期・埼玉)には、ほんのちょっぴり交わされたけどな…
ってなわけで話の続きなんだけどよ…

ZZZZZZZ……

 

みなさま、ホン~ット~にもうしわけありません(汗)!!!

サクライセンセェのお話は、通算勝利数に近い400時間越えとなりましたので、わたくしが可能〜♡なかぎり縮めてお伝えします♥♡

以下は、サクライセンセェのお話のダイジェストです……♡♥

 

…でな、松戸の名輪会イベント出演者控え室で、どハゲのタナカがトヨアキ(伊藤豊明/41期・OB)と何やら一生懸命話してたんだ。

その内容ってのはよ…

 

「伊藤さんといえば約30年前の『オールスター競輪、番手まくり事件』ですよね。
自分も、あのレース車券買ってちゃんと観てたんですけど、やっぱりアララララ…って。

で、その2年後くらいに「ギャンブルレーサー」の連載が始まって、伊藤さんに、その頃一度お会いしてるんですけど、その時も、その後の結構な期間も、実は罪人として認識してまして。

ですが、年月が経ったある日、何となくあのレースのビデオを眺めてたんです。
そしたら、ハッとして。

主導権争いを制した本田(晴美/51期・OB)さんが先行。
無風で続く伊藤さん、後続競りとなった最終2角、後方から高橋健二(30期・OB)さんが捲りを放ってるんです。

伊藤さんも、後ろを時々振り向きながら追走してるんですが、ビデオで見ると伊藤さんが、ちょうど振り向いた瞬間、高橋さんが踏み上げていっている状態だったんです。
でも高橋さんはその後すぐ、3~4番手外くらいまでで一杯になり不発。

伊藤さんは、後方から来る捲りを見て、あの番手捲りを放ってるんですよ。

自分には、そう見えたんです。

高橋さんの捲りがかなり早く不発ってなっちゃったんで、当時、観戦していた我々には、後位はもつれ、捲りも迫ってきていないのに、いきなり先行を捨てて出て行ったって風に見えたのかもって…

となると、あの番手捲りは正当とも言えるんですよね。
伊藤さんが振り向いた瞬間は、高橋さん失速してなかったんですから。

後方には中野(浩一/35期・OB)さんだっていたわけですし…

もちろんマーク屋としては、先行屋の援護、捲りを張りに行くという役割もありますけど、反面、相手を止められなかった場合、ライン丸ごとあの世行き。
タイトル戦決勝といった舞台では、ラインの誰かが獲るという判断も間違えではないという気もしますし…

で、30年ぶりにお会いできたんで、実際どうだったのかぜひ聞いてみようって…」

 

「ひょほ~嬉し~!!!!

確かにさ~あれから30年、オレは常に犯罪者!
『番手捲りの伊藤豊明!』だもんね。

しかもあの後、本田のハルは、お客以上にオレの悪口ばっか!
あいつのダチだったコカド(小門洋一/49期・OB)と一緒に、行く先々で、『イト~さんは平気で人を裏切る極悪人!』
「20世紀最大の悪者!」って…

当時は、人生のほとんどを刑務所で過ごすような筋金入りの方々にすら『たとえオレ達でもイト~ほどの悪さはできねえ!』って言われる始末で…

逆にハルの方は、あんな顔のくせに悲運、悲劇の男として人気がさらに上昇。
ついでに世界選手権のケイリンで金メダルまで取っちまうしさ…

 

まあ、いい!

で、話の続きだけどよ、あの後ろ振り向いた瞬間、誰だったかはわかんなかったけど、確かに捲りが来たのが見えたんだ。

オレだっても~還暦だし、嘘八百は言わんから!
59歳までは、散々ウソつきまくっとるしな!

で、あの時さ、やっぱ思ったのよ。

モタモタして丸呑みされっちゃったら何にもならねえ。
ハルだって無駄死にさせちまう…_

それより何よりあんな大金ぶら下がってんだぜ!

それを、九州だの中部だのの田舎者に持っていかれるのは、大都会伊予松山の人間としてはど~しても…

そもそも当時の四国はオレが持ち帰る賞金で大発展を遂げてたんだからさ!」

 

…というトヨアキの見苦しい言い訳を聞いてタナカのヤロ~、気になってたことの一つが30年ぶりに解決して良かったって喜んでんだ。
今さら、んなもん確認したところで、だからどうなるってもんでもねえのにさ…

ったくヒマ人だよな…

 

はい!
というわけで、以上、サクライセンセェからの迷惑TELの内容でした。

要はイト〜さんとタナカセンセェのおしゃべりの盗み聞きを伝えたかったんですよね。

はぁ~疲れた……

かなり短くまとめたつもりだったのに…

今日はわたし、もう寝ます…