61話 郡司浩平『救世主、郡司!』

神奈川の郡司浩平選手(99期)がゆ~しょ~しちゃった先月のけ~りん祭。
あたしたち埼玉地区の事務所では、ホントにも~タイヘンだったんですから

郡司 浩平 郡司 浩平

平原(康多/87期•埼玉)選手をお~えんしたい気持ちはヤマヤマだったんですが、紹介マンガに同じ方ばかりの登場というのもちょっとアレでしょ…
つらいとこなんですよねえ~…(^_^;)

なので今後は、企画変更。
初登場となる方のみを対象にさせていただこうと思いますのでよろしくおねがいいたしますね(*^_^*)

お~、その方がいい!
そもそもタイトルを複数取るだなんて図々しいにもほどがあるんだ!
そういったものは一人一つで十分!

ヘヘン、本当のところタイトルいくつも取りたくて取りたくて仕方のなかったオトッツアンがよく言うぜ…

…と言いつつ、やっぱタイトルってもんはオレも欲しくて欲しくて仕方のねえもんだったんだけどさ。

郡司のヤロ~もついに悲願のG1初制覇。
そりゃも~嬉しかったろうな。

タイトルには縁のなかったこのオレも、それでも記念をそれなりにいただけたのはやっぱ幸せだったよ。
特に初めて取った時なんて何物にも変えられないくらいの興奮と感動があったもん…

さてと、そんなわけだから今回お前らにはまず郡司へのエールでも語ってもらうとするか。

と言っても所詮は他支部の選手、形だけ、心なんて全くこもってなくて十分だからよ。
そうそう、あとは自身の最も嬉しかった優勝、記憶に残る勝利とかの話でも聞かせてもらおうか。

白岩大助

●おめでとう郡司くん!

タイトルに近いと言われてから中々獲る事が出来なかった郡司選手ですが、競輪祭でようやく悲願のタイトルホルダーとなりました。

本人はもちろん、お父さんの盛夫さん(50期•OB)もさぞかし喜んでいる事と思います。

競輪選手として超一流の彼ではありますが、普段の競輪場での生活でも気持ちの良い挨拶、とても爽やかな好青年というイメージです。

地区は別ではありますが、そのような人柄からも彼の優勝を素直に祝福してくれる人が多いと思います。

改めまして郡司浩平選手、競輪祭優勝おめでとうございます!

●自分の優勝以上に嬉しい、仲間の優勝

ところで私自身の最も嬉しかった優勝というと、それはやはりデビュー戦での大宮競輪場での優勝です。
地元戦ですし、かなり緊張したのですが、1②❶。
競走を終えた後はなんとも言えない気分でした。

ちなみに、当時は今でいうチャレンジのような一番下のグレードでB級からのデビュー。
今のチャレンジより正直とてもレベルが低かったように思いますので今の新人選手は本当に大変だとも思います。

そういった点では、レースの組み立てについても、力をつける抑え先行から覚える事が出来るなど良い時代にデビュー出来たと思います。

さて、本題からはちょっと逸れてしまいますが、デビュー戦の自身の優勝よりも印象に残った優勝が二つあります。

一つは初めてA級に上がって小沼良選手(68期•埼玉)の前で先行して強力な別戦を相手に小沼さんが優勝した時のレースです。
私は大差の9着となりましたが、とても嬉しかったです。

二つ目は2019年の11月の福井競輪のS級決勝戦。

地元の大本命、野原雅也選手(103期•福井)や実力者の佐藤友和選手(88期•岩手)に対して埼玉ラインで植原琢也選手(113期•埼玉)、金子哲大選手(95期•埼玉)、白岩、に茨城の杉本正隆選手(96期)の4車で臨んだ戦い。

植原選手の気持ちのこもった走りに金子選手が応えて、一度は野原選手に捲られはしたもののゴール前に差し替えしての優勝。

私もラインとして少しアシストする走りが出来て3着。

自身の優勝ではありませんでしたが、ラインとしてそれぞれがやるべき事をやった中で埼玉ラインから優勝者が出た事がとても「競輪」を走っているという実感に満たされた思いがありました。

●人と人との絆で闘うのが競輪

私たちが走っているのは「ケイリン」ではなく「競輪」、他の公営競技との一番の違いである「競輪」の魅力。

それは人が人を想い合いながら戦うこと。

21年の現役生活の中でふと思い浮かぶのはそんなレースです。
今は7車立てのレースがメインとなりラインとしての戦い方の魅力は見えづらくなっているので、昔からの「競輪」を愛するお客様や選手にとっては複雑な想いをしているかも知れません。

目まぐるしく変化し続ける令和の時代、「競輪」が生き残るためには時代と共に変化しなければならないとも思います。

ただ現役選手の立場としては、売上だけを追い求めるのではなく他の公営競技にはない「競輪」が秘めている魅力という物は、出来るだけこれからの時代にも残してもらいたいものです。

新井剛央

郡司選手、競輪祭優勝おめでとうございます!

白熱するレースでしたね。
テレビで観戦していたのですが、我が家は大盛り上がりしていました笑
平原が優勝してくれればなおさらよかったんですけどね(笑笑)

●あの郡司くんが

それはさておき、、、。
郡司くんとは何年も前になりますが、レースで連携したことがあります。
そういう繋がりもあったりで話をすることもあるのですが、彼がまだS級上がりたての頃、話の中で「なかなか勝てませんよ~」なんてことを言っていたのをよく覚えています。

上がりたての頃は成績もそこまでまとまっていなくて準決勝で敗退なんてこともあったのですが、あっという間にというかそれからは、、、彼の努力が全てでしょうけど、メキメキと力をつけてあっという間に雲の上の存在になっていました。

こんなに強くなるんだなぁって感心したくらいです(汗)
全く知らない人ではなかったので個人的には嬉しく思っています。

●死ぬわけじゃないから楽しんでこい!

さて、今回のお題の記憶に残る勝利の話ですが、細かいところは無我夢中で覚えてないんですけも、やっぱりデビュー戦の初日ですね。
いまでもレース前は緊張するのですが、やはりデビュー戦(伊東温泉競輪場)は違いました。
東京の先輩に番手についていただいたんですが作戦は特になく「普通にかければ大丈夫だよ」くらいでした。
選手紹介呼び出し時には、余程緊張が見えていたのか、同県の先輩に「別に死ぬ訳じゃないから、楽しんでこい」って言われたのを覚えています。

レースの方は、赤板で出てそのまま逃げて無事に1着通過だったんですけど、2周逃げたってくらいしか覚えてないんですよね、、、。

いま振り返ればそんな時もあったなぁなんて思います。

余談ですが、決勝は同期の海老根(恵太/86期•千葉)さんに番手にはまれられ2着で、その2場所後の花月園競輪場での決勝でも海老根さんにバンクレコードタイで捲られて目の前でA級に特進されています、、、。
同期なんで何よりも悔しかったですね。

http://www.gamble-racer.com/53h-shimizu/

61話B面『念ずれば花開く』

年末をむかえ、みなさまいかがおすごしですか?
世界中の人々が最後の最後までウイルスに振りまわされる一年でしたが、これだけ大変な毎日が続いたんですもの、来年はきっと良い年になるって信じてすごしたいですよね。
「念ずれば花ひらく」
って言葉もあるじゃないですか。
苦しくとも、いっしょうけんめいがんばりつづければ、きっと笑顔になれる日々がやってくる。
あたしは、この言葉を信じます!

このアホ!
トンマ!

「念ずれば花開く?」

笑わせんなバカ!

じゃ聞くけどよ、車券買ってる連中は、毎日どころか買ってるレース全てで念じてるぞ!
毎日毎日、毎レース念じ続けた結果、それでいつしか金持ちになりましたなんてヤツの話、聞いたことあるか?

念じ続けたあげく、ムショに入ったってヤツの話ならいくらでも聞くけどよ。

祈ろうが何しようがダメなものはダメ!
どんなにがんばろうと髪の毛一本届いてなきゃ2着は2着なの!

このバカ!

何を寝ぼけたこと言ってんだトウヘンボク!

そういう腐った性根の持ち主だから、お前はタイトルにだって手が届かなかったんだ!

「念ずれば花開く!」

最高に、いい言葉じゃねえか!

苦しかった日々

以前、デビュー後にオレが、すぐ特進は果たしたもののA級に上がってから丸々一年、優出(優勝戦進出)できなかったって話したことがあったろう。

とにかく準優(準決勝戦)の壁を突破できず本当に苦しんでたんだ。

で、ちょうどそんな頃、1期下の田仲俊克(29期•OB)がデビューしてきてな。
あいつもすんなり特進決めてA級来たんだけど、あのヤロ~、そんなオレを脇目にポンスカポンスカ優出決めていきやがってよ。
正直、こういうヤツを天才って言うのかなって思ったくらいでさ…

まっ、悔しかったけど仕方ねえ。

先に行っちまったヤツの後ろ姿を羨ましそうに眺めてたって意味ねえし、まずは自分の足元をもう一度見つめ直すことにしたんだ。

でよ、ある時、どっかの宿舎でだったかな、田仲と雑談してて、オレはこう言ったんだ。

「オレは予選の10連勝を目指す!」

ヤツは「なんじゃそりゃ?」って笑って聞き返してきたよ。

オレは、こう答えた。

「オレだってA級1班、上のクラスで戦う選手を目指してんだ。

そのためには、特選(競走)組と走れる機会を一戦でも多く手に入れてえ!」

「初日に勝って準優乗れれば二日間特選組と戦えるし、準優に乗り続けることができれば2班の点数取ることも可能。

それで選抜(競走)まわりになれれば、さらに特選組と戦える機会が増える!」

 

田仲のヤロ~、ニヤニヤしながら、

「ふ~ん、まっ、でも準優突破するのが一番手取り早い気がすっけどな…」

バカヤロ、お前と違ってそれがど~してもできなかったから、まずは自分なりの目標を作ったわけじゃねえか…

これだから天才ってのは困るんだ。

苦労の後、花は開いたぞ

ほんでな、オレの方も有言実行ってわけでもねえんだが、あの優出できなかった一年間、それでも毎日頑張って初日のピンを増やしていき実際に予選10連勝ってのもできるほどになったんだ。

もう、意地だよな。

そして、ようやく高かった準優の壁を突破したら、今度は逆にバンバン優出も果たせるようになり、その後、A級1班っつう神の領域への道が開き始めたんだ。

【※当時はA級(1班~5班)B級(1班~2班)の2層7班制。最高位A1は約四千名の選手中、定数120名という狭き門だった】

まさに「念ずれば花開く」って言葉通り。

たとえよろしくない状況が続いてたとしても辛抱して諦めず、常に前に向かってチャレンジし続けることがいかに大切かってことよ。

桜井さんはそうだったかもしんねえけど、普通はそううまくいかねえって!
実際オレは、ムショ行くヤツをこの目で何人も見てきてんだから…
やられ続けたあげく…

サクライセンセェ、ひねくれ者はムシムシ!

そうだな!
ど~せヤツも来年は懲役だろう…

オレも、ちょっと登場させて。

「念ずれば花開く」って、実は10月にオレん家に来てくれたテルちゃん(矢野光世/104期•福岡)が、「あたしが大切にしている言葉なんだ」って話してくれた言葉なのよね。

この言葉って、いろんな風に解釈できるし、オレも「素敵な言葉だよね」って共感したんだ。

テルちゃん、がんばれ!

テルちゃん今、脳みそや競走得点以外の問題で一時はムショ…じゃなくて入院生活送るハメになるなどついてねえ状況が続いてるんだけど(脳みそに関しては、お医者さんから諦めてくれと言われたらしい)、そんな中、それでもすごく明るく前向きな言葉を発してて復帰に向けてかなり闘志を燃やしてるんだよね。

話を聞いてると、体の不調で苦しんでる間、いろんなことを考え、思い、結果、心の方はグンと成長できたんだろうなって感じ取れるの。

(あの脳みそのレベルで、にわかには信じられないんだけど)

脳みその方はお医者さんもサジを投げちゃったってことで、もう仕方ねえんだろうけど、それでもスポーツ選手に限らず人間にとってハートの成長ってのはかなり大きいと思うんだ。

だからオレ、復帰してからのテルちゃんに興味津々。
脳みそは無理でも、得点はきっと上げられると思う。

「念ずれば花開く」って言葉、ぜひ体現して欲しいな。

そうだったんですね…
うん、ぜひ体現してほしい!
テルちゃん、がんばって~!!!!

【緊急追記】

12月5日、京王閣にて西武園クラブ、樋口瑛土選手(109期•東京)がA級(1~2班戦)初優勝を達成!
同クラブOB、桜井氏が大喜び。

「本当によくやった!
コツコツがんばってきた成果。
片目が開くと二つ目、三つ目と結構ポンポンいくもんだ。
さらなる飛躍へのチャンス。
ますますがんばれ!」

と、特別競輪の優勝、ただの一回きりで店じまいした同氏による、説得力の全くないお言葉を頂戴いたしました。

A面マンガにもどる